

《すごく冷たいものをさわると、なぜ "痛い" の?》

「手が切れるような冷たさ」とはよくいったもので、確かに強烈に冷えたものをさわると、冷たさではなく痛さを感じます。
本当は冷たいはずなのに、どうして私たちの神経は痛さだけしかかんじないのでしょうか。
私たちが触覚として温度や痛みを感じるのは、皮膚にある冷点、痛点という感覚器によるもの。
冷点は冷たさ、温点は温かさ、痛点は痛さを専門に感じ取る器官です。
大切なのはこの三種の感覚器の数で、これは同数ではなく、一平方センチ当たりでいえば、冷点は10、温点は3、痛点は15とそれぞれ異なっていて、圧倒的に痛点が多くなっています。
この差は、感覚器が刺激を感じ取る強さの差、と考えてください。
冷点と痛点が同時に働いた場合には、痛いという感覚のほうが優先的に伝わる仕組みになっています。
普通の冷たさなら、冷点だけが作動し、私たちは冷たいとか感じないわけです。
ところが刺激の強さが"ある線"を超えると痛点が作動し始め、 "つめたい" ではなく "痛い" と私たちに感じさせるのです。
わざわざこんな手の込んだ仕組みになっているのは、冷たさも温かさも度が過ぎると体にとって非常に危険なので、痛みを知ることによって身を守るためなのです。

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